吉川元農水相に有罪判決 鶏卵汚職、大臣在任中に500万円賄賂受領

金子和史
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 鶏卵業者から大臣在任中に計500万円の賄賂を受け取ったとして収賄罪に問われた元農林水産相・吉川貴盛被告(71)が26日、東京地裁で有罪判決を受けた。向井香津子裁判長は「大臣として高度な倫理性、廉潔性の自覚が欠けていた」と述べ、懲役2年6カ月執行猶予4年、追徴金500万円(求刑懲役2年6カ月、追徴金500万円)を言い渡した。

 判決によると吉川元農水相は2018~19年、鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表=贈賄罪などで有罪確定=から、3回で計500万円を大臣室などで受け取った。

 吉川元農水相は「政治献金だった」と賄賂性を否定し、無罪を訴えた。しかし判決は、国際機関の飼育基準案への反対や日本政策金融公庫の融資条件の緩和を求める趣旨を含む賄賂と認識していたと認定。吉川元農水相は現金提供の直前にこうした要望を受けたり、受領後に検討会の開催を職員に指示する便宜を図ったりしていたと指摘した。

 そのうえで吉川元農水相の説明は「信用できない」と退け、500万円の賄賂受領は「農水行政の公正さに悪影響を及ぼす非常に悪質な行為だ」と批判した。

 吉川元農水相は1996年に衆院議員に初当選。6期目の20年12月に今回の現金受領を報じられ、体調不良を理由に辞職した。

 岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で「本件で国民の政治不信を招いたことは重く受けとめる必要がある」と述べた。(金子和史)