線状降水帯にみまわれた町 「川の水がこっちへ向かってきてる」

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玉置太郎
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 早朝、自宅2階の窓から眺める表の通りを、黒い固まりが「つつつ」と静かに動いていた。

 60代の男性が目を凝らして見ると、それは「水」だった。昨夜から激しい雨が降り続いていた。

 男性の家の約100メートル先には川が流れている。「切り通し」と呼ばれる、ちょうど川が急に狭く、浅くなる地点。水はそちらの方から流れてきていた。

 不安を感じて、近所の知人に電話をかけた。

 「避難した方がいいんだろうか」

 知人は「うちはやめとく。家が漬かるほどのことにはならんだろう」と言う。

 男性も30年以上住んでいるが、水害の経験はない。ペットもいるし、避難は大変だ。

 悩んでいるうちに水の量はみるみる増え、自宅の敷地内へと入ってきた。

 そこから約150メートル離れた場所に住む井上洋さん(63)の家でも午前6時すぎ、泊まりに来ていた娘が「川を見てくる」と表に出た。直後に、慌てて駆け戻ってきた。

 「水がこっちに向かって来てるけん、すぐに逃げらんといけん」

 少し離れた公民館が避難場所…

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