西川右近総師の遺志継ぎ演出 戦国オペラ「本能寺が燃える」6月上演

小原智恵
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 【愛知】一昨年に亡くなった日本舞踊西川流の西川右近総師(そうし)が晩年に演出した戦国オペラ「本能寺が燃える」が、名古屋能楽堂名古屋市中区)で6月に再演される。演出は、長男で四世家元西川千雅(かずまさ)さん。総師の遺志を受け継いだオペラの歌い手たちが、本能寺の変をめぐる物語を歌や和の所作で描く。

 明智光秀の視点で描かれた壮絶な独自の恋物語。美濃を治める斎藤道三の娘帰蝶と、道三に仕える光秀は互いにひかれ合っていた。だが隣国尾張の脅威に対し道三は苦渋の決断を迫られる。本能寺の変で主君織田信長を討った光秀が守りたかったものとは……。

 劇中歌の歌詞と脚本は、名古屋出身の作詞家・脚本家あおい英斗さんが手がけた。ラジオ・ミュージカル作品に始まり、2016年に右近総師が演出を担当してから戦国オペラに形を変え、宝生能楽堂(東京)でも19年に上演された。

 名古屋出身のテノール歌手で光秀役の吉田知明さんは総師の教えについて「所作だけでなく、舞台人としての生き方や精神性を鍛えていただいた」と振り返る。千雅さんも「吉田さんから父の影を感じ、作品を大事にしてくれていることがわかった」と話す。

 名古屋出身の作家酒井敦美さんによる「光の切り絵」が投影されるなか、南光坊天海を演じる橋爪淳さんの狂言回しと、歌い手たちの歌で物語が進む。千雅さんは「追悼なので父の演出を踏襲するつもりが、『違う』と父に言われているような気がして、自分色になってきた。新たな『本能寺が燃える』を楽しんでほしい」。

 3日午後6時半、4日午前11時と午後5時開演。S席前売り6千円ほか。メニコンビジネスアシスト(052・935・1630)へ。小原智恵