鈴鹿生まれ「カブ」1号、四半世紀ぶりに帰郷 市役所で展示

松原央
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 ホンダの鈴鹿製作所で生産された原付きバイク「スーパーカブ」の1号車が四半世紀ぶりに鈴鹿市に戻り、25日から同市役所で展示が始まった。今年は市制施行80周年と鈴鹿サーキット開場60周年の節目にあたり、市と自動車産業の縁を物語る目玉として9月末まで無料で観覧できる。

 ホンダによると、スーパーカブは1958年に埼玉製作所で生産が始まり、会社員の初任給が8500円程度だった当時に5万5千円と高価だったにもかかわらず、優れた耐久性や低燃費、扱いやすさで大ヒット。これまでに国内外で推計1億1千万台が生産されるロングセラーとなった。

 鈴鹿製作所はスーパーカブの増産のために60年に開設され、3年後には軽トラックなど四輪車の製造も始まった。鈴鹿製スーパーカブの1号車は当時の杉本龍造市長に寄贈され、鈴鹿サーキット内に展示された後、現在の「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県茂木町)のコレクションホールが98年にオープンした際に移管された。

 鈴鹿製作所では、「原点」とも言えるスーパーカブの生産が91年まで続いた。市産業振興部が市民から「かつて市役所に1号車があった」との情報を得て、記念の展示にとホンダに問い合わせたところ、同社が貸し出しを快諾。25日に、本庁舎1階の市民ロビーに運び込まれた。

 末松則子市長は25日の会見で「まだ学生の頃、ホンダに勤めていた親戚から『1号車が鈴鹿にある』と聞いたこともあり、感慨深い。モータースポーツの街の原点に思いをはせていただければ」と話した。(松原央)