三菱電機の製品をめぐる不正問題について、外部の弁護士らでつくる調査委員会は25日、新たに15製作所で計101件の不正が見つかったと発表した。累計では全22の7割にあたる16製作所で不正をしていたことになる。コスト削減などのため管理職が指示していた事例が複数あった。当初4月としていた調査を終えるめどは秋まで延ばす。新たな問題が多数見つかったことで、信頼回復には時間がかかりそうだ。
漆間啓社長は会見で組織的に不正が行われていたことを認め、「改めておわびします」と謝罪した。
報告書によると、系統変電システム製作所赤穂工場(兵庫県赤穂市)では今年3月まで約40年にわたり、原子力発電所などに出荷された大型の変圧器で検査や設計の不正が続いていた。1980年代に管理職がコスト削減のために実測値の書き換えなどを指示したのがきっかけだったという。
自動車向け製品をつくる姫路製作所(兵庫県姫路市)では5月まで、顧客が指定したのとは違う方法でつくっていた。対応する設備がなく、導入には多額の支出が必要だったためだという。不正は2016年に始まり、管理職や関係部署が協議し続けていた。
三田製作所(兵庫県三田市)では、自動車の排ガスを制御するバルブ製品で、人員や設備の不足を理由に定められた検査をしていなかった。管理職は21年10月まで10年以上にわたって黙認していた。カーナビ製品の検査不正では歴代の担当者約10人が関わっていた。