第79回ロシア軍の攻撃に耐えた製鉄所 6層?の地下、シェルターには鉄の扉

ウクライナ情勢

ウクライナ西部ブコベル=坂本進飯島健太
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 ロシア軍の猛攻撃を受けながら、300人超の民間人が2カ月に及ぶ避難生活を送ったウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」。広さは東京ドーム235個分で、6層ともされる巨大な地下空間にはトンネルやシェルターが張り巡らされているという。その内部はどうなっているのか。生還者8人が朝日新聞の取材に応じ、地下生活の様子やシェルターの構造について語った。

【連載】アゾフスターリ 「地獄」で何が起きたか

ロシア軍に激しい攻撃を受けたウクライナ・マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」。約2カ月の地下生活で何があったのか。脱出後に待っていたものとは。生還した市民8人が16時間にわたって語った証言を伝えます。

 3月2日から製鉄所に避難していたラリサ・ソロプさん(49)は、「シェルター内は高い湿度で過ごしづらかった」と話す。換気ができず、帽子をかぶっていると頭が蒸してきて、髪がぬれた。干している洗濯物にカビが生えた人もいたという。

 ソロプさんのいたシェルターには、10人前後が入る小さめの部屋四つと、木枠で作られた簡易ベッドがあり20人超が滞在した広めの部屋、小さなキッチンや机を備えた共用スペースなどがあった。

 極度に湿度が高く、使わなかった部屋も1部屋あった。個室のトイレも二つあったが、水道が止まっていたため使えなかった。

 シェルターは、ハンドルのような形状の取っ手がついた重厚な鉄の扉の中にあった。ロシア軍の攻撃は絶え間なく続き、部屋に隣接していた発電室に、地面を突き破ったミサイルが着弾したこともあったという。

 ソロプさんら退避した市民の多くは現在、ウクライナ政府が手配した同国西部ブコベルのホテルで避難生活を送っている。(ウクライナ西部ブコベル=坂本進飯島健太

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