東京五輪記録映画、カンヌで上映 河瀬監督「100年残る映画に」
昨年開催された東京五輪の記録映画「東京2020オリンピック SIDE:A」が、第75回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・クラシックス」部門で25日に公式上映された。
総監督を務めた河瀬直美さんが、映画祭総代表のティエリー・フレモーさんとともに登壇し「この映画が50年100年、私が亡くなった後も残り続ける映画であってほしいと思います」と話した。女児を出産したばかりで東京五輪に出場したカナダのバスケットボールチームの主将、キム・ゴーシェさんが娘のソフィーちゃんを連れて出席した。
「SIDE:A」はアスリートを中心に描かれた。開会式から始まり、柔道やソフトボール、サーフィンなど各競技に出場した選手たちの姿を、テレビ中継とは異なる角度から映し出している。「オリンピック中止」を訴えるデモなど反対派の活動もかなり多く入っている。
上映後、日本人記者向けの会見を開いた河瀬監督はこう語った。「大切だったのはこのオリンピックに反対していた人たちのこと。国民の8割以上がオリンピックの中止や延期を望む中で、開催を信じて歩み続ける人がいて、互いに意見をぶつけ合う状態でした。しかしそれはどちらも、自分自身のスペースを守るという当たり前のことをやり続けていたわけです。その先に一体何があるのかを感じてもらえるような映画を目指しました」
「SIDE:A」は日本では6月3日公開。アスリート以外の人々を描く「SIDE:B」は同24日に公開される。(カンヌ=編集委員・石飛徳樹)
河瀬直美監督は上映終了後、日本の記者向けの取材に応じた。一問一答は次の通り。
――カンヌでのお披露目を終えた今、どんな思いですか
コロナ禍もあり、5年ぶりの…
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