伝統を受け継ぎつつ、新たな造形を創造する。そんな一見相反する方向性のなかで陶芸作家は悩み、もがく。しかし、矛盾のはざまに生まれ出た作品群は、いずれも驚きに満ちている。金沢市の国立工芸館で開催中の「未来へつなぐ陶芸――伝統工芸のチカラ」展を見て、そう思う。
やきものは土と炎がつくる偶然の芸術だ。その偶然をいかにして必然に変え、自分の表現として作陶に取り込むか。重ねられた苦心のたまものである古今の傑作を、日本工芸会陶芸部会の50周年を記念して紹介するのが本展だ。明治の巨匠や歴代人間国宝から現在活躍中の新進気鋭まで、137人139点に日本陶芸界の歴史を凝縮した。
いくつか紹介しよう。
加守田(かもだ)章二「曲線…
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