縄文時代研究が専門の水ノ江和同(かずとも)・同志社大教授が『縄文人は海を越えたか?』(朝日新聞出版)を出した。北の縄文遺跡が世界遺産になり、そのアートな魅力が関心を集める昨今。ともすれば独り歩きしがちなイメージに、あえて一石を投じている。
四方を海で囲まれた日本列島。朝鮮半島や中国、サハリンなどとの波濤(はとう)を越えた交流が想定され、私たちはそこに壮大な歴史ロマンを重ねてきた。が、本当にそうなのか。
「考古資料からみれば、日本列島から大陸への文化の流れは弱く、『交流』というには違和感がある。根拠もなく言われてきた『交流』を、しっかりと検討し直してみようか、と」。水ノ江さんは本書のねらいを、そう語る。
たとえば、北海道から九州ま…
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