「私は一つの役目終えた」 スーパー「ライフ」創業の清水氏が退任

有料会員記事

金子智彦
[PR]

 近畿や関東を中心に展開するスーパー「ライフ」を創業し、一代で育てあげたライフコーポレーションの清水信次氏(96)が26日、高齢を理由に取締役を退任した。名誉会長にとどまるが、経営の一線からは退く。清水氏は1980年代、消費税導入への反対運動で旗振り役を務めるなど、「政治」にもの申す名物経営者として知られた。

 この日、同社の大阪本社(大阪市淀川区)で開かれた定時株主総会で承認された。清水氏は、昨年5月に会長兼CEO(最高経営責任者)を退き、代表権のない取締役名誉会長に就いていた。

 同社が発表したコメントで清水氏は、自らの戦争体験や露天商を経て戦後の荒廃の中で起業した歩みを回顧。ライフが昨年60周年を迎えたことに「60という年月を人間に例えれば、ちょうど還暦に当たります。改めて人生を振り返った時、今ひとつの節目を迎えたように感じております。これまでの間、たくさんの素晴らしい人々と出会い助けられ、また荒波にもまれながら危機に直面するもこれを乗り越え生き抜いて参りました」とつづった。

 特に深い思い出に、三菱商事から迎えて2006年に社長職を譲った岩崎高治氏との出会いを挙げた。「(ライフの)生みの親として、育ての親として、私は一つの役目を終えました。今後は経営から一歩離れた立場で引き続きライフを支えて参ります」とした。

 清水氏は太平洋戦争から復員後、1956年にライフの前身となる清水実業を創業。61年にライフ1号店を大阪府豊中市に出店し、近畿圏と首都圏に今年4月時点で約290店舗を構える大手スーパーに成長させた。

 日本チェーンストア協会会長や日本スーパーマーケット協会会長などを歴任。政治家との親交も広く、売上税(現在の消費税)導入の反対運動を展開し、中曽根康弘竹下登の両元首相らに直談判した。旧大規模小売店舗法(大店法)の即時撤廃を求めて行政訴訟を起こすなど、財界の論客としての顔を持つ。(金子智彦)

 ライフコーポレーションが26日発表した、清水信次氏の取締役退任にあたってのコメントの全文は以下のとおり。(原文どおり)

 取締役退任ご挨拶…

この記事は有料会員記事です。残り1200文字有料会員になると続きをお読みいただけます。