「日本一苦労」のオケ、急転直下の演奏会 「名刺がわりのあの曲を」
尾崎千裕
沖縄初のプロオーケストラとして発足した琉球交響楽団が、大阪で初めての演奏会を開く。結成から21年。本土復帰50周年の節目の年に、情感豊かなオリジナル曲を響かせる。
大阪公演は6月5日午後3時、大阪市北区のザ・シンフォニーホール。問い合わせはキョードーインフォメーション(0570・200・888)。
設立したのは2001年。沖縄県立芸術大の卒業生らが中心で、旗振り役は、当時の音楽学部長でNHK交響楽団の首席トランペット奏者も務めた祖堅(そけん)方正(ほうせい)だった。祖堅が13年に急逝後は、ミュージックアドバイザーとして長年交流のあった大友直人が、16年から音楽監督として楽団を率いてきた。
現在、楽団員は42人。NPO法人として浦添市に拠点を置くが、常設の練習場はない。全員で舞台に上がるのは年2回の定期演奏会ぐらいで、ほかは小編成で学校や公民館などをまわっている。楽器の運搬、演奏会の告知や印刷物、チケット販売などは、いずれも楽団員が手分けして作業する。
自治体からの公的支援が乏しく、大友いわく「日本一苦労して、日本一厳しい状況に置かれているオケ」。
しかし、逆境でも演奏を止…