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熊本・慈恵病院の赤ちゃんポスト、昨年度は2人 累計161人に

堀越理菜
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 親が育てられない子を匿名で預かる慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に昨年度預けられた子は2人で、過去最少だった。2007年5月に開設して以降、預けられた子は計161人となった。運用状況などを定期的に検証している熊本市が27日、公表した。

 市によると、2021年度に預けられたのは生後1カ月未満の男児と女児。いずれも医師など専門家の立ち会いがない自宅での孤立出産で生まれた子だったが、健康状態は良好だった。親などの居住地は熊本以外の九州と関東だという。

 慈恵病院の蓮田健院長は27日、「預けられる赤ちゃんがゼロになることが理想だと思っているので、少なくなったことを喜ぶべきだろう。ただ、赤ちゃんの遺棄・殺人事件になった被告女性に話を聞くと、ゆりかごの存在が知られておらず、ゆりかごが機能していないと感じて残念に思っている」と話した。

 慈恵病院は19年、生まれた赤ちゃんを預かるゆりかごは、母子ともに危険な孤立出産の恐れがあることから、予期せぬ妊娠に悩む女性が相談・支援担当者にだけ身元を明かして出産する「内密出産」を導入すると表明した。女性と生まれてくる赤ちゃんの安全を最優先にする狙いがあり、病院はこれまでに2人がこの仕組みで出産したと発表している。

 蓮田院長はゆりかごの預け入れ件数には、内密出産の影響もあると推測する。他にも匿名で出産したいという相談が続いているとし、「ゆりかごよりも内密出産の方が(病院で出産できるので)母子にとっては安全」と述べた。

 ゆりかごへの預け入れ数の減少の背景として、予期しない妊娠をした女性への支援が公的、民間ともに進んできていることや、出生数が減少していることも考えられるとした。(堀越理菜)