命の粒、海中に舞う 奄美大島沖でサンゴの産卵はじまる

奄美通信員・神田和明
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 鹿児島県奄美大島沖でサンゴの産卵が始まった。真っ暗な海中に無数の淡いピンクの粒が漂う光景を、奄美市名瀬の自然写真家、興(おき)克樹さん(51)が撮影した。

 大和村国直の沖合約500メートル、水深約5メートルのサンゴ礁斜面で確認した。20日から3日間、いずれも午後11時ごろから産卵が始まった。ミドリイシ属でテーブル状のハナバチミドリイシや、枝状のトゲスギミドリイシなどが一斉に卵や精子の入った「バンドル」と呼ばれるカプセルを放出した。

 バンドルは海中を浮遊して海面ではじけ、受精した卵が海底に定着する。興さんは「ピーク時には前が見えないほどだった」と話し、「生臭い卵のにおいや卵の帯が見られるかも」。産卵は9月ごろまで続く。ピークは6月という。

 奄美大島のサンゴは1998~2008年、白化現象やオニヒトデの食害などで打撃を受けたが、現在は回復傾向にあるという。(奄美通信員・神田和明)