さよなら、本州最北端バスターミナル 乗客減の波にあらがえず廃止へ
安田琢典
下北半島の公共交通網や観光の拠点だった下北交通(本社・青森県むつ市)の「むつバスターミナル」が、5月末で廃止される。地域のシンボルとしても親しまれてきた本州最北端のターミナル。老朽化や周辺商店街の衰退などに伴う乗客減少の波に、あらがえなかった。
鉄筋コンクリート一部4階建て。住民や観光客が増え、乗客増に対応して1967年、開業した。2階や1階待合室にはテナントとして食堂や売店、歯科診療所などが入り、乗客以外の住民も利用した。
68年には下北半島が国定公園に指定され、市道を挟んだターミナル向かいには百貨店が開業した。下北交通の7代目の現社長、山上常廣さん(71)は「土日ともなると買い物客が大勢訪れ、お盆や正月はターミナルの外までバスを待つ乗客があふれていた。あの頃が下北半島の隆盛期だったのだろう」と懐かしむ。
ターミナル開業の年に長男を…