全国各地の遊園地で、木造の立体迷路が子どもたちに人気です。ただ5階建てでお城のような見た目でも、実は法律上の「建物」ではないと言います。行政のチェックが働かず、安全管理は事業者任せという現状の中、木材の腐食が原因で床が抜け落ち、親子連れが重軽傷を負う事故も起きています。
子ども心をくすぐる仕掛け 「安全だと思ってた」
東海地方の主婦(37)は5月中旬、3人の子どもと遊園地に出かけ、立体迷路を一緒に楽しんだ。障害物を乗り越えたり、隠し扉を探し当てたり。「子ども心をくすぐる色んな仕掛けがあって平面の迷路より面白い」と感じた。「ちゃんとした遊園地だから安全だと思ってきた。過去に事故が起きていたことは知らなかった」と話す。
同種の木造立体迷路で事故が起きたのは2021年10月。兵庫県加東市の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で5階建ての木造立体迷路の3階の床の一部が抜け、利用客が2・4メートル下の2階に転落。6人が重軽傷を負った。
消費者庁などによると、事故は床を支えていた梁(はり)が人の重さで破断し床全体が落下したとみられている。施設は屋外にあり、雨ざらしの状態だった。梁は腐食していたという。設置から8年たっていた。
5階建てなのになぜ建物じゃない?
大勢の人が出入りし、「5階建て」の構造物なのに、なぜ建物とはいえないのか。
国土交通省の担当者は取材に…