いじめで命絶った息子、真実知るまで5年 卒業した加害学生への思い

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太田原奈都乃
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 山口県周防大島町の大島商船高専で1年生の男子学生(当時15)がいじめを苦に自殺してから、21日で6年が経った。この日、高専の校長らが会見し、いじめ防止の取り組みを報告した。いじめに関わったとされる9人の学生(当時)について「自分のしたことがどういうことだったのかを十分理解できていない学生もいる」などと話し、指導を続けると説明した。

 男子学生は2016年5月21日未明、校内で自殺した。第三者調査委員会は21年9月、クラスメートが人格を否定するメッセージをLINEで大量に送りつけるなどの22件の行為について、いじめと認定。「自殺の原因は明らかにいじめ」と結論づけた。教職員の連携が不足し、再発防止に向けた検証も行われてこなかったとも指摘し、意識改革を求めていた。

 高専の報告によると、昨年度、在校生にいじめに関する講話を始業式で行い、どのような行為がいじめにあたるのかをホームルームで指導した。教職員約100人は研修会で、学生の異変に気付くための講習を受けた。古荘雅生校長は会見で「いじめは今も日常的に起きてしまっている。その芽を早くつむことが大切だ」と述べた。

卒業後も電話やメールで反省を促す

 いじめに関わった9人の学生への指導は、すでに大半が卒業していることから月に1回程度、電話やメールでやり取りを続け、男子学生のいじめをめぐる時々の思いを尋ね、振り返りや反省を促しているという。加害者として指摘された事実を受け止め切れていない学生がいる一方、「遺族に謝罪したい」との思いを持つ学生もいるという。

 報告を受けた男子学生の母親(51)は「(再発防止に)取り組む姿勢を少しは評価したい」と話した上で「加害学生への『指導』に納得できない。自死をどう思っているのかを遺族は知りたいし、学校は知る場を設けてほしい」と訴えた。

 母親は問題を風化させないように、命の大切さを伝えるための行事を命日に開くことや、校内での石碑の設置や植樹を高専側に求めている。

どんないじめ受けたか知った日 泣き崩れた

 母親は息子が命を絶った現場…

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