ウトロの放火現場で育てる野菜 おばあちゃんが一緒に食べたい相手は
小西良昭
在日コリアンが多く暮らす京都府宇治市のウトロ地区でこの春、小さな野菜畑ができた。そこは昨夏に起きた放火事件の現場。女性はゴマやトウガラシ、韓国カボチャの苗約40本を植えた。ある願いを込めて。
幅1メートル、奥行き4・5メートルの細長い菜園。育てるのは、近くに住む在日2世の金山炭江さん(83)だ。畑仕事が好きな弟から苗をもらい、5月中旬に植えた。
「焼け跡に土が残っていたので」
畑の周りには、火災で焼けた空き家跡などが今も手つかずのまま、生々しく残る。昨年8月30日に起き、空き家など7棟が全半焼した火災のせいだ。
一帯の地権者である不動産会社の社長(56)は「菜園でみんなが良い気持ちになるなら、うれしい。しっかり育てて、理不尽な放火事件にめげないで」と取材に話す。
憎しみをぶつけるのではなく…
ウトロは戦時中、国策の飛行…
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