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真っ白になって書いていく 血液のがん患った花村萬月さんの苦痛小説

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河合真美江
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 どんなに親しい仲でも、痛みは他人にわからない。痛みの表現を突きつめた『ハイドロサルファイト・コンク』(集英社)は、血液のがんに直面した作家、花村萬月(まんげつ)さん(67)の生と死の苦痛小説だ。

 「先月まで嘔吐(おうと)がひどくて、嘔吐しない日は下痢でした」。元気なころより35キロ以上やせた。4年前に骨髄移植を受け、今も4~6週に1回通院し、免疫抑制剤を主体に15種類の薬を日々飲む。

 「薬を飲まないと、移植したドナーの白血球が俺を異物として攻撃するので大変なことになる。いいかげん慣れてくれよと思うんですが」。通院のほかは外出せず、肩や指の関節の痛みを抱えながら四六時中執筆する毎日だ。

 花村さんは骨髄異形成症候群を発症し、2018年9月に骨髄移植を受けた。2カ月半の入院後、自宅療養になったが、間質性肺炎を患い、さらに膀胱(ぼうこう)炎、前立腺炎、尿道炎の三つを併発した。ステロイド製剤の副作用で背骨を4カ所圧迫骨折するという試練まで待っていた。

 自らを題材にしようと決めた…

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