ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省の高官は26日、東部ドンバス地方でロシア軍が徐々に前進をみせているとの見解を示した。特に激戦地の一つであるルハンスク州の主要都市セベロドネツクはロシア軍が包囲し、攻勢を強めているという。
高官によると、ロシア軍は当初、北東部ハルキウと南東部マリウポリを結んだラインを侵攻し、東部ドンバス地方全体を一気に包囲する狙いだった。だが難航した結果、現状ではドンバス地方の一部地域に絞った小規模な作戦に転換し、「数で優位に立つロシア軍が徐々に前進している」と高官は述べた。
ロシア軍が特に攻勢をかけているのが、ルハンスク州西部の都市セベロドネツクだ。北東部から制圧を進め「ロシア軍はセベロドネツクを基本的には包囲したが、まだ完全に封鎖されてはいない。ウクライナ軍は戦闘を続けている」という。
ロシア軍は隣接するリシチャンシクに向けて進軍するとともに、南方のポパスナからも西進し、セベロドネツク周辺のウクライナ軍を孤立させる狙いとみられる。高官は、すでにセベロドネツクは外部からの兵器の補給が難しい状況に陥っているとの認識を示した。
一方で、ドンバス地方全体でみるとロシア軍の前進は限定的だという。当初の目標とみられたドネツク州スラビャンスクなどに向けた進軍に目立った進展はなく、南東部マリウポリを制圧後に北上を目指した部隊も停滞している。
ロシア軍の消耗状況は
また、高官はロシア軍の消耗…