騒音、悪臭、火災…「ヤード」3割で近隣トラブル 千葉、規制に限界

重政紀元
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 金属スクラップや廃車など再生資源物を収集、保管する「ヤード」のうち、千葉県内にある約3分の1にあたる108施設が近隣とのトラブルを抱えていることが分かった。県は現地調査をするなど改善を目指しているが、抜本的な解決には至っていない。

 調査は昨年度、ヤードに関連した情報を全市町村に照会。うち施設の所在が分かった332施設を対象に、現地調査などを反映させて調べた。

 「周辺への影響がある」と回答などがあった施設は108施設。影響の内訳は、騒音・振動78、油汚染34、飛散・流出33、悪臭15、水質汚濁4、火災発生27だった(1施設で複数が該当するケースがあるため合計は108にならない)。

 トラブルになりやすいとされる施設近接に住宅がある施設は、住宅が100メートル未満に所在194(58・4%)▽同100メートル以上離れて所在91(27・4%)▽回答なし47(14・2%)だった。

 県は市区町村ごとの所在数を概数しか出していないが、朝日新聞の調査では、最も多かったのは千葉市若葉区の62だった。「土地の安さだけでなく、港や高速道路、国道などの幹線道路に近いところに集中する傾向がある」(千葉市産業廃棄物指導課)という。

 ヤードでトラブルが相次ぐのは、県条例での規制に限界があるためとされる。盗難などの不正利用や油流出による汚染に対象を絞っているため、ほかの問題に対応するのは難しいという。

 このため千葉市は昨年、全国で初めて罰則付きの条例をつくり規制に乗り出した。設置は住宅などから100メートル以上離れた土地▽油・汚水の地面への浸透防止措置の実施▽スクラップの山の高さを5メートル以下にする――などとし、違反した場合1年以下の懲役とした。袖ケ浦市も設置を許可制にするなどの条例化を目指している。

 県は、周辺への影響があると回答した施設を含む116施設について現地調査を実施。「効果的な対策について検討している」(県廃棄物指導課)としているが、規制強化などについて具体的な方針は出ていないという。(重政紀元)