男性に偏る「世帯主の声」は「避難者の声」なのか 小さな声聞くには

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聞き手・笠井哲也
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 原発事故からの復興には多様な意見を反映する必要があるが、福島県内の市町村議会全体における女性議員の比率は9%(昨年末現在)にとどまり、女性がゼロの議会も3割近くにのぼる。誰もが生きやすい社会をつくるにはどうすればいいのか。原発事故とジェンダー格差に詳しい宇都宮大学の清水奈名子准教授に聞いた。

しみず・ななこ 1975年生まれ。国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。2007年から宇都宮大学国際学部で教えている。福島県からの避難者や栃木県放射能汚染地域の被災者への聞き取り調査などをしてきた。近著に「奪われたくらし:原発被害の検証と共感共苦」(日本経済評論社、2022年、共著)など。

被災の現場と政治の間にギャップ

 ――東日本大震災、特に原発事故の被災地では女性議員が少なく、政治の意思決定過程で女性の意見を十分に反映できていないと指摘されています。

 「原発事故後、栃木県内で福島県からの避難者や、栃木県の被災地域で暮らす人への聞き取り調査をしてきました。放射能から子どもを守るために自治体に働きかけたり、地域の汚染マップの作成をしたりする活動には、多くの女性が関わり、中心的な役割を担っていました。ところが陳情を持って行く先の議員は、市町村も県も国も多くは男性です。現場と意思決定をする政治の間にギャップを感じました」

 「震災3年後ぐらいに全国紙に掲載された岩手、宮城、福島3県の自治体首長アンケートの記事が印象に残っています。首長の顔写真のほとんどが男性。特に福島は59市町村で女性が1人もいませんでした」

 ――政治のジェンダー(社会的性差)不平等は、復興を進める上で問題になりますか。

 「災害による被害は、災害前…

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