第5回申し訳なさと、ありがたさと 故郷に似た「定住先」離れ東京で見る夢

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畑宗太郎
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 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3カ月。600万人以上が国外に逃れ、日本でも約1千人が避難生活を送っています。今回、世界各国が積極的な受け入れ支援に乗り出しています。ミャンマーから戦禍を逃れて日本にきた男性は、家を追われるウクライナの人たちの姿がかつての自分たちに重なるといいます。ただ、対応の差も感じて複雑な思いを持っていました。

ウクライナのニュースに複雑な思い

 雨が降ったりやんだりする日の仕事は少し体にこたえる。電車に乗った人たちの傘の忘れ物が増えるからだ。

 東京・綾瀬の車両基地で、電車の清掃の仕事をして10年近くになるミャンマー出身のソーエッラー(35)は、気が重くなる。電車に残された新聞や雑誌を集め、長ほうきとちりとりで床のほこりを払う。忘れ物の傘は5本もあれば結構な重さになる。

 コロナ禍になってからは換気のために開けた窓を全て閉めて回る仕事も加わった。夜勤までこなして午前1時半に仕事を上がると、くたくたになる。

 エッラーは最近、ウクライナ危機のニュースを見ていて複雑な思いがよぎる。

 戦禍で家を追われる人々の姿は、かつての自分たちに重なった。一方で、ロシアの侵攻を受け、色々な国や関係機関が「すぐに受け入れます」と避難する人たちを迎えていた。

 ミャンマーの難民は、軍に空爆されて着の身着のままでタイに逃げ込んでも追い返される。日本に来るにも手続きや面接が必要で、日本に来ることを希望しているいとこはキャンプから出られないでいる。

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