月100万円の「経費」、領収書不要ってあり!? 国会議員の文通費
国会の会期末まであと2週間あまり。終盤の論点の一つが、国会議員に毎月100万円支給される「文通費」だ。仕事にかかる経費なのに、なぜか「領収書も不要」「残金の返却も不要」というルールになっている。会社員なら経費は実費精算であり、領収書も添えるのが「常識」だ。国会議員だけは特別扱いなのだろうか。そんなのあり?(東郷隆、編集委員・伊藤嘉孝)
多くの人にとって仕事にかかる「経費」は切実だ。
4月半ば、JR東京駅。新幹線の切符を買った食品メーカー営業の男性(28)は、領収書を大切そうに財布の専用ポケットに入れ、こうつぶやいた。「なくせば精算できないので」
保険会社の女性(32)は「10円単位できっちり会社に請求する。前払いの100万円が余ったらもらえる人に、この庶民感覚はわからない」と言い、券売機の領収書ボタンを押した。
この「前払いの100万円」が、国会議員の「文通費」だ。原則月129万4千円の歳費(給与)とは別に、経費のような意味合いで毎月100万円が支給される。税金はかからない。
正式名称は「調査研究広報滞在費」(旧・文書通信交通滞在費)。1947年に「通信費」(月額125円)や「滞在雑費」(日額40円)という名前でスタートし、名前や金額の変更が繰り返され、93年に月額100万円となった。
余っても返金不要 「特権」「庶民感覚わかるわけない」
昨年10月の衆院選後、これ…
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