【詳報】仕掛けた渡辺明名人 今シリーズ最も予想が難しい封じ手に

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北野新太 村瀬信也 上田真由美
【名人戦対局Live】勝てば防衛、渡辺明名人VS逆襲へ粘る斎藤慎太郎八段【第80期将棋名人戦第5局1日目】
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 渡辺明名人(38)=棋王と合わせ二冠=に斎藤慎太郎八段(29)が挑戦している第80期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局が28日午前、岡山県倉敷市の「倉敷市芸文館」で始まった。第5局の地元主催は倉敷市・倉敷市文化振興財団。

朝日新聞デジタルのタイムラインでは北野新太記者の速報を中心に、両雄に肉薄する対局写真、村山慈明七段をゲストに招いての「囲碁将棋TV」中継、両対局者の秘話の紹介などで多角的に詳報します。

 渡辺名人の3勝1敗で迎える第5局。名人は勝利すると防衛と3連覇を決める一局になる。もう後がない斎藤挑戦者は逆転奪取につなぐための1勝を目指す。

 大山康晴十五世名人の出身地である倉敷市での名人戦開催は2019年以来、3年ぶり6度目。持ち時間各9時間の2日制。立会人は26日に永世名人襲位が発表された谷川浩司十七世名人(60)が務める。(北野新太)

18:00

難しい封じ手

 第2次駒組みを経て、渡辺名人が▲4五歩(47手目)と仕掛けた局面で斎藤挑戦者が次の手を封じた。消費時間は渡辺名人が3時間13分、斎藤挑戦者が4時間54分。29日午前9時に再開する。

 副立会人の村山慈明七段によると、封じ手の局面は手が広いようだ。定刻を過ぎても考え続けるかもしれないとみられていたが、斎藤挑戦者はすぐに封じ手を決断した。

写真・図版

 次に考えられるのはいずれも先手の攻めに対応する手だが、△4五同歩、△4五同桂、△5三角、△5三銀と4種類考あるという。今シリーズで最も難しい封じ手予想かもしれない。村山七段の予想は△4五同桂。桂馬を交換すれば、4六や8四に打って反撃する狙いがある。いずれにせよ、2日目は早々に本格的な戦いに突入することになりそうだ。村瀬信也

北野新太記者の村山慈明七段インタビュー 上

名人から「映画でも行きますか」

 朝日新聞副立会人は村山慈明(やすあき)七段(38)が務めている。

 渡辺名人とは同学年で、小学生だった奨励会員時代から共に切磋琢磨(せっさたくま)した盟友で、プライベートでも仲がいい。名人からは「ムラ」と呼ばれている。

 「囲碁将棋TV」での解説中継にも登場してくれている村山七段が語る名人との思い出。インタビューで聞いた。

 ――渡辺少年との出会いの記憶は。

 「小学3年の時ですね~。八王子将棋クラブ(羽生善治九段ら多数の有力棋士を輩出した将棋道場)での将棋大会だったんですけど、当然のように渡辺さんが優勝して、すごい強い子がいるなと。私も八王子では強い方だったんですけど……」

 ――突然現れたライバル。

 「ええ。でも、強いと言っても自分より少し強いくらいだったので、翌年の八王子での大会では私が準決勝で渡辺さんに勝って優勝したんです。それがすごく自信になりました。でも、奨励会には渡辺さんが1年早く入って、四段になったのは彼が15歳で私は19歳。常に先を行かれていて、今は雲の上のような目標になりました」

 ――思い出は。

 「うーん……限りなく……あ、今パッと思い出したことがあります。私、デビュー戦(2003年)で奨励会三段の人に負けちゃったんです。若い頃の1敗って重いですけど、特にデビュー戦でしたから。で、すごく落ち込んで、傷心のまま渡辺さん家(ち)に行ったんですよ」

 「そしたらですね……言って…

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