東京電力福島第一原発の廃炉作業で、新たな懸念が浮上した。炉心溶融(メルトダウン)した1号機で、原子炉圧力容器を支えるコンクリート製の台座が損傷し、一部で鉄筋がむき出しになっていることが判明。福島県沖を震源とする地震が相次ぐなか、政府や専門家からは耐震性を危ぶむ声が出始めている。
「相当広い範囲で鉄筋だけになっている。耐震評価をやり直す必要があり、現段階では『安全』とは言えない」。廃炉作業を担う経済産業省資源エネルギー庁の担当者は26日、記者会見で危機感をあらわにした。更田豊志・原子力規制委員長も、前日の会見で「大きな地震に襲われたときに、もってくれるのかは懸念事項としてある」と述べた。
燃料デブリでコンクリート溶けたか
発端は、東電が23日に公表した調査結果だ。1号機の原子炉格納容器内に遠隔操作ロボットを投入し、撮影したところ、原子炉圧力容器を支える台座の鉄筋がむきだしになり、鉄筋の上には溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の可能性がある堆積(たいせき)物が残っている様子が確認された。
メルトダウンした1~3号機…