交流15年超 「東大阪新聞」社長の僕がウクライナ国旗を掲げる理由

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佐藤達弥
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 ロシアの侵攻を受け、世界が見つめるウクライナ。戦況は日々報じられるが、そこに住む人の文化や考え方をもっと知りたい。侵攻の前から15年以上にわたって交流を続けてきた小野元裕・日本ウクライナ文化交流協会会長(52)を訪ねた。(佐藤達弥)

 JR大阪駅から電車を乗り継ぎ、大阪府八尾市の住宅街へ。ウクライナの国旗と同じ鮮やかなブルーの上着に、黄色のネクタイ姿の小野さんが迎えてくれた。2005年に発足し、全国に約250人の会員がいる日本ウクライナ文化交流協会の事務所だ。入り口には自ら営む出版社「ドニエプル出版」の看板もある。社名はウクライナを流れる大河の名前からとっている。

おの・もとひろ 1970年、大阪生まれ。天理大外国語学部ロシア学科を卒業後、大阪の出版社「新風書房」で約500冊の出版に携わる。2005年に退職して日本ウクライナ文化交流協会を設立し、ウクライナに渡航。1年滞在し、各地で日本文化を紹介する行事を開く。06年に帰国してドニエプル出版を立ち上げ、自著「ウクライナ侵攻に至るまで」を含む同国関連の出版を続けている。

 小野さんは毎朝5時に起きて各紙のウクライナ報道をチェックした後、ウクライナ国旗を事務所前に掲げる。本業は八尾など周辺3市のニュースを追う「東大阪新聞社」の6代目社長。昭和7(1932)年に創刊後、地元の篤志家らの間で経営が引き継がれ、今も約千人の購読者がいる。

地域に密着して新聞発行を続けながら、15年以上前からウクライナと草の根の交流を続けてきた小野さん。ウクライナの魅力とは何なのでしょうか。記事の後段では、小野さんがウクライナと出会うまでの一部始終をご紹介します。そこには、ソ連崩壊とも絡む運命の巡り合わせがありました。

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