若者の人生観は「ドラクエ型からポケモン型」に 永田夏来さんに聞く

聞き手・寺島笑花
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 働く20代の若者は、生き方の選択肢が無数にあるだけに、仕事や生涯設計に迷い、モヤモヤとした悩みを抱えています。「生涯未婚時代」などの著書がある兵庫教育大学大学院・永田夏来准教授(家族社会学)は、いまの若者の人生観が「ドラクエ型」から「ポケモン型」に変わったからだと説明します。ポケモン型とはいったいどんな生き方なのか。働く20代がいまの時代を生き抜くための戦略はどうあるべきか。永田さんに聞きました。

 年功序列や終身雇用が崩れ、ライフスタイルが多様化した1990年代。それを受け、2000年代以降は、人々の人生観が「ドラクエ型」から「ポケモン型」に変化した。一つのストーリーをなぞり、外れないように進めていく「ドラゴンクエスト」のような人生から、好きなポケモンを集めて育てるような人生に変わってきた。ポケモン人生は自由度が高いので、何をゴールに設定するのか、プレーヤーの数だけ答えがある。

ドラクエ人生の場合、新卒での就職や適齢期での結婚など、ある程度決まったルートがあった。だから周囲から悩みも見えやすかった。周りも手を差し伸べやすい。一方、ポケモン人生ではどのポケモンを優先するかにより、進め方が変わる。画一的でなく、自分ならではの選択ができる半面、悩みも多様化しているので周囲と共有しづらい。

 選択肢が多様なので、仕事やプライベート、それぞれに色々な理想があって、せめぎ合っている状態。会社の先輩の人生を聞いてロールモデルを見つけようとするのではなく、様々な人に話を聞いて、ポケモン人生のリアリティーをつかんでいくのが、いまの時代の戦略としては正しいのではないかと思う。(聞き手・寺島笑花)

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 ながた・なつき 1973年長崎県生まれ。家族社会学者。早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。兵庫教育大学大学院准教授。武蔵野大、神戸大非常勤講師も兼任する。著書「生涯未婚時代」では、ドラマ「逃げ恥」やアニメ「おそ松さん」などを引用して若者の結婚観を分析した。