第7回飛び交うミサイル、生き延びても終わらない 取材中に見えた心の傷

有料会員記事ウクライナ情勢

ブコベル=坂本進 飯島健太
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【取材を終えて①】パンとバター…気丈に振る舞っていた「ねえさん」が涙を流した 坂本進記者

 アゾフスターリの地下シェルターで、市民はどんな生活を送っていたのか――。

 5月1日にウクライナ西部リビウに入った私の最大の関心事は、そこにありました。

 ウクライナ南東部マリウポリは、今回のロシア軍による侵攻で、激戦地の一つになりました。

 海沿いにある製鉄所「アゾフスターリ」には、数百人の市民が取り残され、「製鉄所内部では人道危機が起きている」とウクライナ側は訴えていました。

 ちょうど私が着いた日には、100人超の市民の退避が実現していました。

 解放された市民に取材できれば、2カ月にわたる避難生活の実態を明らかにできると思いました。

 避難者たちが西部のスキーリゾート地ブコベルにいると知り、向かいました。

 インタビューが始まったのは5月17日。私たちは8人の生還者たちから何日もかけて話を聞きました。

 取材を終えて感じたのは、私のイメージしていた地下生活とは、実態はだいぶ違ったということです。

【連載】アゾフスターリ 「地獄」で何が起きたか

アゾフスターリでは、300人超の市民が地下シェルターで約2カ月過ごし、5月上旬に製鉄所から脱出しました。坂本進記者と飯島健太記者は退避した市民8人に地下生活の実態を聞きました。記事後半では、飯島記者が戦争の非道さや愚かさ、報道の責務について語ります。

 例えば、避難者たちは複雑な…

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