宿題の解答時刻がリアルタイムで教師に 教育データ「生活指導にも」

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田中紳顕、編集委員・宮坂麻子
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 いつ、何を学んだか。どんな問題が理解できていないか――。民間のオンライン教材のようなデータ分析の手法を、学校現場でも利活用する検討が国で進んでいる。子どもの個人情報が管理されることへの懸念もあるが、どんな形で生かすことができるのか。

京都市立の進学校が取り組むデータ活用術

 進学校として知られる京都市立西京高校と付属中学校。中高一貫化の前年の2003年度から1人1台の端末を配布し、4年前からは京都大学の緒方広明研究室と協力して、教育データの活用に取り組んできた。

 高校の英語の授業。生徒は各自の端末画面の長文を黙読し、わからない単語に画面上でマーカーを引く。読み終えたところで「分析」マークをクリックすると、みんながマーカーを引いた単語が画面に現れる。意味も含めて、隣の子とペアで確認。教員の端末でもどんな単語が理解できていないか一目でわかる。こうしたことが今年度から文章でもできるようになった。

 ほかにも、各自1分間で何単語を読めるか記録したり、毎時間の小テストの結果を一覧表にしたり。正誤問題は、教員の画面では正解率が高い問題から濃い色がつくため、薄い問題に時間をかけて解説できる。

 英語科の芳賀康大教諭(25)は「経験も浅く、巡視しても一人ひとりがどの程度理解できているか、その場では明確にわからない。データがあることで安心して授業も進められる」と話す。生徒の側にもメリットがある。ある生徒は「理解していなかった部分が目に見えてわかるし、データで自分の成長も実感できるからやる気が出る」。

 付属中学の生徒は、家庭に持ち帰った端末で数学などの演習問題を解く。だれが何時から取り組み、何でつまずいたか、教員はリアルタイムで把握できる。理解度に合わせ、推奨問題が出題される仕組みもできた。基本問題は家庭で取り組み、学校では発展問題にかける時間が増えた。

 「教師が見ているとわかっていることで、モチベーションを上げる生徒もいる。家庭での学習習慣が垣間見えることで生活指導にもつなげられる」と数学科の宮部剛教諭(46)。

教育データを学校現場でどう生かすのか。後半では、生徒指導に利用する自治体を紹介します。GIGAスクール構想の元担当課長でデジタル庁アドバイザーの高谷浩樹さんに、「教育データ利活用の未来」についてもお聞きします。

 課題もある。一つはデータの…

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