3年前の凶行、あそこにいれば防げたのか 元警察官が繰り返す自問

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原晟也、中村英一郎、大宮慎次朗
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 どうすれば、尊い命を守れたのか――。川崎市多摩区の路上で登校中の私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件から3年となった。28日朝、現場に訪れた人たちは犠牲者を悼み、二度と悲惨な事件が起こらないよう祈った。

 事件は2019年5月28日朝、JR登戸駅近くで起きた。スクールバスを待つ児童らが刃物を持った男(当時51)に襲われ、同小6年の栗林華子さん(同11)と、外務省職員の小山(おやま)智史さん(同39)が死亡。男は直後に自殺した。

 「事件のことを忘れたくはない」。路上に花を供え、そう語った同市宮前区の会社員男性(39)は同小系列のカリタス幼稚園の卒園生だ。3年前のこの日は夜のニュースで事件を知り、家を飛び出して献花に向かった。たどりついた現場は大勢の人たちで騒然とし、言葉を失った。

「悲しいね」と返す娘

 娘は今、亡くなった栗林さんと同じ年頃になった。事件について「悲しいね」と話すと、分からないながらも「悲しいね」と返してくれる。「まだちょっと早いけど、いつか起こったことを話したい」と言った。

 現場近くに住む岩崎由紀子さん(51)は事件前、毎朝、バス停から届く子どもたちのにぎやかな声を聞いていた。10秒ほど手を合わせ、心の中で犠牲者に語りかけた。「この街は平和になったんだよ。安らかに眠ってください」

 近くに住む石黒重信さん(56)は東京都内の小学校で副校長を務める。「この日は特別です」と、3年間欠かさずこの日に訪れている。「二度とこんなことは起こしてはならない。ここに住んでいる限り、手を合わせ続けます」

 電車内で下校中の児童たちが遊んでいるのをよく見かけたという東京都調布市の会社員男性(31)は、花を手向けて黙禱(もくとう)した。「安心して子どもたちが学校に通えるよう、ボランティアや地域の方々が協力して対策をしてほしい」と語った。

 神奈川県警は行政と連携しながら、登下校の見守り活動に取り組んでいる。多摩署の信沢公昭署長は「事件を風化させてはいけないし、未来を担う子どもたちの安全を確保しなければならない。継続して活動していきたい」と話した。

 この日学校では、追悼ミサが…

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