物価高騰の影、学校給食にも 材料工夫も苦しい現場

中野渉 岡本進 小林未来 上田雅文
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 【栃木】円安やロシアのウクライナ侵攻、天候不順などで物価が高騰し、その影響が学校給食にも及んでいる。県内でも、材料を見直す自治体が出てきた。

 小山市教委によると、給食で使うブロッコリーを、生の野菜よりも安い冷凍品に切り替えた。ほかにも、デザートのゼリーはフルーツやクリームなどの飾りがない比較的安価な製品を選んでいる。

 今後、輸入小麦の価格上昇によるパンの値上がりが予想されるが、同市の給食では週5日のうち4日が米飯だ。担当者は「米価は下がっているので多少は助かっている」と話す。

 ただ、食材の仕入れ値上昇は徐々に響いている。同市は1999年から給食費の額を据え置き、昨年度も引き上げを検討したが見送った。食材の値上げ分を吸収するため、国の地方創生臨時交付金をあてるかどうか慎重に検討している。

 宇都宮市上河内学校給食センターの田崎稔所長(59)は「年度が始まり間もないので、現状では献立の見直しはない」。センターでは旧上河内町の小中4校向けに給食を作っていて、今年度、中学生の毎月の給食費を300円引き上げて5500円にしたばかりだ。ただ、今後も物価高騰が続けば「年度末にはなにか工夫する必要が出てくるかもしれない」とみる。

 県外の自治体や学校も様々な取り組みをしている。さいたま市立常盤小学校は、食用油が高くなったため根菜類の揚げ物を煮物に変えた。価格を抑えるため、地元の農家から野菜を仕入れるようにする。

 埼玉県戸田市は、加工品の冷凍チキンカツを手作りに切り替えた。1枚あたり10円程度コスト減になるという。同川口市は、調理時間短縮のために使っていたカット野菜を、より安い未加工の野菜に変えた。中野渉、岡本進、小林未来、上田雅文)

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