29日に投開票されるコロンビアの大統領選で、日本でも知名度の高いある女性候補が撤退を表明した。左翼ゲリラに6年半誘拐されていた、イングリッド・ベタンクール氏(60)だ。自身が人質として過ごした体験を元にした著作は世界中で知られるが、大統領選では支持が広がらなかった。
ベタンクール氏は首都のボゴタに生まれ、父は元大臣、母は元国会議員という政治家一家で育った。1994年に下院議員、98年に上院議員に当選。当時所属していた政党が麻薬組織から献金を受け取っていたと追及するなど、歯にきぬ着せぬ批判や質素な服装に好感を持つ国民が多かった。
2002年2月、同年5月の大統領選に向けて立候補を表明していたベタンクール氏は、左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)に誘拐された。大統領候補の誘拐は世界中に衝撃を与え、大統領選は本人不在のまま実施。フランスの外交官であるベタンクール氏の元夫がコロンビア政府を批判したことなどから、コロンビアとフランスとの外交関係が一時悪化したこともある。
誘拐時はジャングル転々、著作は日本でも人気
誘拐されていたベタンクール…
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