「北朝鮮並み」の対ロシア制裁、返り血は 日本につきまとうジレンマ

有料会員記事ウクライナ情勢

編集委員・佐藤武嗣
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 ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、日米欧とロシアは、軍事力ではなく、経済的手段を「武器化」した経済制裁の応酬を繰り広げている。ただ、経済安全保障の分野では、制裁という「攻め」に伴う「返り血」も浴びかねない。制裁の副作用も見据えた、冷静な戦略が不可欠となる。

経産相「勇ましいことを言う人がいるが…」

 「ロシアは制裁による長期的代償を払わなくてはならない。この制裁が持続できなければ、台湾を力ずくで奪おうとした場合の代償について、中国にどんなシグナルを送るだろうか」

 バイデン米大統領は23日、岸田文雄首相との日米首脳会談後の記者会見で、米主導の対ロ制裁の意義をこう強調した。日米は、ロシアの「武力による現状変更」を欧州で見過ごせば、中国による暴挙をアジアで許しかねないと懸念する。

 ただ、各国の利害が複雑に絡み合う経済の相互依存が進む中では「経済の武器化は両刃の剣で、返り血を浴びる」(外務省幹部)。

 日米首脳会談の約2週間前…

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    服部倫卓
    (ロシアNIS経済研究所所長)
    2022年5月30日10時7分 投稿

    【視点】現在までのところ、欧米と連携した日本政府による対ロシア経済制裁は、バランスのとれた的確なものになっていると思う。 「戦力の逐次投入ではないか」という批判も一部に聞かれるが、戦争と制裁は戦い方が異なる。ロシアより先に我々が倒れては意味がない