父からの「格言」を胸に 石井琢朗の次女、さやかが4大大会デビュー

照屋健
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 テニスの全仏オープンのジュニア部門で、日本の16歳が4大大会デビューを果たした。プロ野球、DeNAの石井琢朗・内野手総合コーチの次女、石井さやか。錦織圭らが育った米・フロリダ州のIMGアカデミーで腕を磨く有望株だ。

 「チャンスはあったけど、とりきれなかったのが一番。相手に自信を与えてしまったのが敗因かな」

 29日、同い年のスロバキア選手にストレート負けした石井は悔しがった。第2セットでは5―2とリードしながら相手の勢いにのまれた。

 小学4年で初めてウィンブルドン選手権を訪れてから憧れてきた4大大会の舞台。ほろ苦いデビュー戦だったが、感想を問われると、いった。

 「人もすごい多いし、雰囲気が全然違う。またここでプレーしてみたいと思いました」

 テニスを始めたのは、5歳のころ。新体操や水泳、ピアノなどの習い事をかけもちしていたが、競技にのめり込んだのは、小学生のとき、1学年上のライバルに負けたことだった。

 「ぼっこぼこに負けて。そこで負けず嫌いに火がついて。テニスで強くなりたい、と思いました」

 小学1~3年は広島に住み、エディオンスタジアムがある広域公園のテニスコートで腕を磨いた。

 父はドラフト外で大洋(現DeNA)に投手として入団した後、野手に転向して通算2432安打をマークした。アドバイスはこうだった。

 「プロの世界は厳しいし、上に行けるのはひとつまみだけ。なりたかったら努力しなさい」

 その言葉を、「当たり前のことですけど、お父さんにいわれるとより説得力がある」と受け止めてきた。

 海外を拠点に戦うことに憧れ、昨年9月からは通信制の学校に通いながらIMGアカデミーへ。ハイレベルな環境で英語も学びながら、テニス漬けの日々を送る。

 身長173センチ。「パワーには自信がある」といい、ストロークが武器だ。

 今年からシニアのツアー下部大会にも参加している。現在の世界ランキングは1160位。「今年の目標のランキングをとることとグランドスラムに出るという二つは達成した。今度はタイトルをとりにいきたい」

 目指すものはまだまだ大きい。(照屋健)

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