「17歳ですでにドナルド・キーン」生誕100年展、初公開の論文も

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中村真理子
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 日本を愛し、文豪たちに愛された日本文学ドナルド・キーン(1922~2019)。その生誕100年にあわせた展覧会「ドナルド・キーン展――日本文化へのひとすじの道」が横浜市の県立神奈川近代文学館で始まった。7月24日まで。

 三島由紀夫川端康成安部公房。交わした書簡から彼らがキーンに寄せていた信頼が伝わってくる。日本語の文字が丁寧に並ぶ原稿用紙、余白に英文でメモが書き込まれた書籍、師と仰ぐアーサー・ウェイリーから贈られた英語版「源氏物語」は日本文学への道を決定づけた。約500点の資料から多面的で豊かな日本文学者の歩みがわかる。

 初公開で注目されるのが、米コロンビア大学2年で執筆した論文「フローベールの象徴主義」。19世紀フランス文学の名作「ボヴァリー夫人」など7作を象徴主義の視点で論じた。日本文学に出合う以前の17歳は、優秀なあまり飛び級で進学していた。指導教官による「A/Excellent」という評価がついている。著作の邦訳を長く担当した翻訳家の角地幸男さんは「文章が的確でわかりやすい。それは後の文体の特徴と同じ。17歳にしてすでにドナルド・キーンだったのです」と驚きを込めて話す。

 もう1点、興味深い初公開資…

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