脳塞栓になった人類学者 「もう一度生まれた」から選んだ研究テーマ
「論座」(https://webronza.asahi.com/)で人類学者、三谷雅純さんの連載「〈障害者〉と創る未来の景色」が始まりました。5月29日に公開した初回のタイトルは「わたしはもう一度生まれた~脳塞栓(のうそくせん)症にかかった人類学者の新たな研究テーマ」です。
なぜ人は社会をつくるのか。戦争や結婚をするのか。言葉を話すのか。人間の本質を、サルの社会や行動を調べて考える学問に、三谷さんはとりくんできました。ところが脳塞栓症で右半身がまひし、失語、記憶障害などの後遺症が残ります。
昔のような体力頼みの働き方は難しい。けれど自身や障害のある仲間を観察し、元来多様な人間を研究すれば、ほかの人にはまねのできない人類学研究になりうる。そう考えました。
三谷さんは、障害があるからこそできることがあると、身をもって示しています。それと同様、他の人とは違うということに積極的な価値を見いだす社会にできれば、いろんな「生きづらさ」が軽くならないでしょうか。
私は2月、「『論』の総数、2万に!~次のステージへ 『論座シンカ計画』始めます」という記事を論座で公開しました。そこに「様々な社会課題に直面している当事者や、課題解決にとりくんでいる人たちの論をご紹介したい」という持論を記したところ、三谷さんが名乗り出てくださいました。
違うことをおとしめがちな私たちの先入観を壊してくれる当事者の論を、今後も紹介しようと思います。それが「未来を創る」ことにつながるからです。われこそはと思う方、かつ表現にたけた方がいらしたら力を貸していただけないでしょうか。info-ronza@asahi.comにご連絡ください。
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上記の論考はこちらから(https://webronza.asahi.com/national/articles/2022052700003.html)。「『論』の総数、2万に!~次のステージへ 『論座シンカ計画』始めます」はこちらでお読みいただけます(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022021700004.html
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