関東大震災を生き抜いた庶民 銅版画をデジタル化、細部もくっきり
戸村登
東海の防災を考える
1923(大正12)年9月1日の関東大震災に遭遇した庶民がたくましく生きる姿を描いた銅版画がデジタル化され、愛知県豊橋市のインターネットデータベース「とよはしアーカイブ」で公開されている。実物は手のひらに載るほどのサイズだが、画像を拡大すると肉眼では見えづらい細部まで鑑賞できる。
銅版画は、東京・雑司が谷在住の版画家・河野通勢(こうのみちせい)が作成した「関東大震災所見図」。34点が確認されており、このうち豊橋市美術博物館が所蔵する21点を高精細デジタルカメラで撮影し、5月に公開した。
市美術博物館によると、河野は大震災発生から約2カ月間、深川木場や上野、本所などでスケッチし、後に銅版画に仕上げた。
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