「性暴力、職務に関連し市に責任」「記者に過失なし」 長崎地裁判決

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 長崎市の男性部長(故人)から性暴力を受け、その後の市の対応も不適切だったとして、報道機関の女性記者が市に約7477万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が30日、長崎地裁であった。天川博義裁判長は、性暴力が「職務関連性を有する」とし、組織としての市の責任を認定。休業損害や慰謝料など約1975万円の支払いを命じた。

後段に判決要旨

性暴力の被害を受けた女性の訴えを、裁判所が認めました。後段に判決要旨を載せています。

 判決によると、記者は市の平和祈念式典に関する取材中だった2007年7月、平和行政を統括する立場にあった部長から性暴力を受けた。記者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、休職。部長は同10月の市の内部調査に対して行為を認めつつ、「無理強いしたわけでも暴力をふるったわけでもなく、合意の上だった」と説明。直後に自殺した。

 市は裁判の過程で、同意がない性暴力だったと認めた上で、職務と関連がなく、市に責任はないと主張。しかし判決は、部長が取材に協力するよう装って性暴力に及んでおり、職務に関連した違法行為だったとし、市の賠償責任を認定した。

 判決はまた、他の市職員が週刊誌に虚偽の話をして記事になり、記者が二次被害を受けたと指摘。市はそれを防ぐため、関係する職員を指導するなどの義務があったのに怠ったとし、「記事の掲載を想定していなかった」などとする市の反論を退けた。

 市は裁判で、記者に過失があ…

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