第81回75歳の私を、ロシア兵は何度も踏みつけた 被害者が語った犯罪行為

有料会員記事ウクライナ情勢

リビウ=飯島健太
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 ロシアがウクライナ侵攻後に制圧や占領するなどした地域で、ロシア側の兵士らによる犯罪行為の報告が相次いでいる。南部ヘルソン州で家を略奪され暴行を受けた女性が、その実態を証言した。

 「昨夜は痛みで一睡もできなくてね」

 西部リビウの聖ルーク病院で入院生活を送るタチアナ・アントニウクさん(75)は、苦しそうに寝返りを打った。地元ヘルソン市から逃げる途中にロシア兵から殴打され、背中の骨が折れる2カ月の重傷を負った。目やほおには紫色のあざが残る。

 ヘルソン州は、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミア半島と境界を接する。ロシア軍は2月24日に侵攻を始めると、すぐに支配下に置き、4月下旬には親ロシア派の「知事」や「市長」を任命した。

 そのころから、アントニウクさんの自宅には何度もロシア側の兵士がやって来た。家の中に勝手に上がり込み、金目のものは何でも奪っていった。

 その後、自宅近くでも爆撃による被害が広がり、知人宅に逃げた。わずかな現金、パスポート、趣味の詩を書き留めたノートをバッグに入れた。

 ある時、男2人が訪ねてきた。白と青のワイシャツにネクタイ、ジーンズ姿。ウクライナ人と言ったが、「ヘルソン人民共和国」の「国民」を名乗った。ヘルソン州のロシア編入を目指す親ロ派勢力が一方的に持ち出す呼称だ。

 男2人は家々を回り、男性を…

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