【そもそも解説】北欧2国のNATO加盟 トルコの譲れない一線とは

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キーウ=高野裕介
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 ロシアによるウクライナ侵攻を機に、北欧のフィンランドスウェーデンが軍事的な中立の立場を離れて北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請しました。両国にとって歴史的な転換点とも言われ、歓迎ムードが広がりました。そこに、異を唱えて関係国を驚かせた国があります。中東の大国トルコです。なぜトルコは難色を示すのでしょうか。背景には何があるのでしょうか。

 「前向きには考えていない」。エルドアン大統領の発言が飛び出したのは、北欧2国が加盟申請に向けて動いていた5月13日だった。

 「スカンディナビアの国々はテロ組織のゲストハウスのようだ」と強い言葉でも牽制(けんせい)。その後、両国の政府関係者が協議のためトルコを訪れる予定については、「彼らは説得に来るというが、わざわざそんな手間をかける必要はない」と突き放した。

 21日にはエルドアン氏がフィンランドのニーニスト大統領、スウェーデンのアンデション首相と相次いで電話で会談。「テロ組織」に対する具体的な措置を強く求めた。

「テロ組織」とクルド人

 トルコが「テロ組織」と名指しするのは、自国で分離独立を目指すクルド人らの非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)などの勢力だ。

 クルド人は独自の言語、文化を持つ民族で、主にトルコ南東部からシリアイラクの北部、イラン西部にかけて居住している。トルコでは人口約8400万人のうち2割近くを占めるとされている。

 オスマン帝国の崩壊後、1923年に成立したトルコ共和国は、「すべての人がトルコ人」という認識の浸透をはかった。クルド語の使用が厳しく制限されるなど同化政策が徹底されるなか、クルド人の一部が次第に反発を強め、70年代に生まれたのがPKKだった。

 ゲリラ的な武装闘争を始めた…

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