取締役会にウソ報告か 日本郵便社員が局長の不動産取得で不正

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藤田知也
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 郵便局長が例外的に局舎を持つための社内手続きの資料に、日本郵便の担当社員が虚偽の記載をしていたことがわかった。新たな局舎は日本郵便が自ら取得するのが原則なのに、局長が個人で取得しやすくなるように事実と異なる報告をしていた。日本郵便は朝日新聞の取材に対し、複数の虚偽記載があったと認めている。

 日本郵便は「調査中で詳細は控える」としつつ、支社の社員による虚偽記載が調査で見つかっていると説明した。動機には「局長が局舎を保有したい意向をくみ取って対応したこと」が含まれるとしている。上司や局長がウソを把握していたかどうかは、明らかにしていない。

 郵政民営化の後、日本郵便では郵便局舎用の土地などを社員や親族が買ったり借りたりするには、地主が同社との直接の取引を拒むなど「やむを得ない理由」がある場合に限るとしている。東京証券取引所の上場審査指針でも役職員との取引は妥当性や合理性が求められており、日本郵便は取締役会で局長らの物件取得を認めるかを一件ずつ事前に決議している。

 日本郵便によると、虚偽記載があったのは、地主との交渉経過を記す「対応記録表」などだ。内容は取締役会に報告され、局長の局舎取得が妥当かの判断材料となる。取締役会への報告も虚偽だった恐れがある。地主の意向は支社の社員が確認して記録を残すが、地主が局長個人との取引を望んでいるように装う記載例があったという。

 任意団体の全国郵便局長会は転勤をなくすことなどに役立つとして、局長の局舎取得を推進している。関連する「郵便局長協会」はその取得資金を局長らに融資して利息収入を得ている。

 朝日新聞は昨年8月、2018~20年に移転した郵便局240局を調査し、約3割で物件所有者が21年時点の局長名と一致すると報じた。局長が地主に働きかけ、日本郵便と地主の取引を妨げたと疑われる例もあった。こうした強引な手法が報じられたことも踏まえ、日本郵便は局長の局舎取得手続きを全面停止し、昨秋から過去数年分の取得経緯を調べ直している。

 企業統治に詳しい八田進二・…

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