新・荒尾市立図書館、順調な船出 4月オープン

杉浦奈実
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 今春、商業施設内に移転してリニューアルオープンした熊本県荒尾市立図書館が人気だ。5月前半までの1カ月半で、既に移転前の1年分を超える人が訪れた。若い人の利用が増えているといい、今夏にも市が目標としていた来館者数15万人を達成する勢いだ。

 元の図書館の老朽化にともない、4月1日、商業施設「あらおシティモール」の一部で開館した。5月17日までの来館者数は5万3832人。コロナ禍前の2019年度は1年間で4万1456人だったため、既に1万人ほど上回った。

 市によると、買い物がてら訪れたとみられる利用者も多く、以前より親子連れや、学生の利用も増えた印象があるという。貸出冊数も月あたり3倍ほどになり、1日1千冊を超える日もある。

 館内は、市が誇るラムサール条約登録湿地・荒尾干潟をコンセプトに、潮だまりのように弧を描いたり、船をイメージしたりした書架が並んでいる。県産のスギを使ったほか、壁には荒尾干潟の貝殻や、地元特産の小代焼で作った生き物の形の飾りをあしらっている。

 「干潟の洞窟」をイメージしたという子ども向けのスペースもあり、靴を脱いで絵本や紙芝居を楽しむことができる。長女の柚那ちゃん(2)、次女の柑那ちゃん(1)と訪れた市内の岩村詩織さん(30)は、「前の図書館にも行っていたけど、子どもも楽しめる飾りなど荒尾ならではのものがあっていいなと思いました」と話した。

 大画面で荒尾の観光情報、偉人などについて学んだり、電子書籍を借りたりできる「デジタルライブラリー」も備えた。市内には博物館がないため、出土した陶器など、荒尾市の歴史資料を展示するコーナーもつくっている。

 紀伊国屋書店が指定管理者として運営しており、隣接する書店と作家のトークイベントなどで連携している。市教育委員会の担当者は「イベントなども通じて多くの方にご利用いただきたい」と話している。(杉浦奈実)

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