青梅線「沿線まるごとホテル」の拠点開設 奥多摩町の無人駅に

杉山圭子
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 過疎化が進むJR青梅線沿線の活性化を目指し、エリア全体をホテルに見立てる事業「沿線まるごとホテル」の拠点となる施設が1日、鳩ノ巣駅(東京都奥多摩町)に開設された。

 「まるごとホテル」は、古民家を改修した宿泊棟やレストランを設け、地元住民に案内役を担ってもらう構想。JR東日本地域振興事業を手がける「さとゆめ」(千代田区)による共同事業だ。来年度中のホテル開業を目指している。

 拠点施設の名称は「沿線まるごとラボ」。無人駅の旧事務所を改修し、執務や会議に使うほか、ワークショップの開催も予定する。

 案内役などを担う初代の「沿線まるごとコンシェルジュ」も決まり、開設セレモニーで、5人に任命書が手渡された。

 「さとゆめ」の嶋田俊平社長(43)は「様々な実験や挑戦を行う研究所にしよう、とラボと名づけた。ホテルの完成時にはここがフロントにもなる」と説明。ホテル開業後も、空き家を改修した「客室」の増設を進め、2028年度までに5~8棟の宿泊棟の稼働を目指す計画を明らかにした。

 嶋田社長は将来的な夢として、「JR東の管轄エリア内(計69路線)の30地域以上に広げたい」と語り、今回の取り組みをその第一歩と位置づけた。JR東の内田英志・八王子支社長は「首都圏の近くにこれだけの観光資源があるというのを広く知ってほしい」と話した。(杉山圭子)

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