「強い沖縄経済」の実現に向け、西銘恒三郎・沖縄北方担当相が5月31日に発表した「西銘大臣ビジョン」をめぐり、沖縄県側が反発している。玉城デニー知事は同日、事前に意見照会がなかったとして、不快感を表明。経済振興策は9月の沖縄知事選でのアピール材料ともなり、政府と沖縄県側の対立が鮮明になった形だ。
岸田文雄首相は昨年12月の所信表明演説で、「強い沖縄経済を作るための取り組みを進める」と表明。西銘氏は、沖縄が本土復帰50周年を迎える今年5月に合わせて戦略をまとめた。
31日に発表された振興策の名称は、「『強い沖縄経済』の実現に向けた西銘大臣ビジョン」。重点検討分野には、①観光・リゾート②農水産業・加工品③IT関連産業④科学技術・産学連携を挙げ、具体策や国の支援のあり方を並べた。
政府関係者によると、あえて県出身の西銘氏の名を冠することで、地元に根ざした取り組みだとアピールするねらいがあった。
ところがこの後、玉城知事は「県と市町村が政策実現のプレーヤーとして取り組んでいく中、事前に県に対して必要な意見照会がなく、少なからず唐突感を持つ」とコメントを発表した。県幹部によると、ビジョンについての連絡が県に届いたのは、公表の直前だったという。
沖縄県は政府と協議を重ねた…
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- 【視点】
この話、裏テーマは辺野古です。日本復帰50年の沖縄県の振興については10年ごとに計画が作られてきましたが、10年前の第5次から主体が政府から県に移ったのはこの記事の通り。ただし多くの権限や財源を政府が握っており、振興計画作りに政府と県の協力