奨学金「不当利得」の返還命令 学生支援機構、上告断念を検討

三浦淳
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 奨学金の返済をめぐり、半額の支払い義務しかない保証人2人に全額を請求した日本学生支援機構に対して、過払い分と利息の計約200万円の支払いを命じた札幌高裁判決について、機構は最高裁への上告を断念する方向で検討に入った。関係者への取材で分かった。原告側も上告しない方針で、上告期限の2日に同判決が確定する見通し。

 この訴訟では、保証人が複数いる場合、各保証人が返済義務を等分に負うとされる民法上の「分別の利益」を、機構が保証人に告げずに全額請求していたことが問題になった。5月19日の高裁判決は、原告らに分別の利益の知識がないことなどから過払い分の返金を命じた一審判決を支持。分別の利益の適用には保証人の主張が必要との機構側の訴えを退け、機構について、不当利得と知り得た民法上の「悪意の受益者」にあたると指摘した。

 東京地裁で同種訴訟が続いており、上告を断念すれば審理に影響を与える可能性がある。(三浦淳)