警察庁長官、日本赤軍の解散「形だけ」 テロ組織として危険性指摘

編集委員・吉田伸八
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 海外で数々のテロ事件を起こした過激派グループ「日本赤軍」の重信房子・元最高幹部(76)が刑期を終え出所したことに絡み、警察庁の中村格長官は2日の定例の記者会見で、「日本赤軍は解散を表明しているが、解散は形だけのものに過ぎず、テロ組織としての危険性がなくなったと見ることは到底できない」と述べた。

 中村長官は、危険性をぬぐえない理由として「いまだに過去に引き起こした数々のテロ事件を称賛している」と指摘し、現在も7人のメンバーが逃亡中であることを挙げた。その上で、「今後とも組織の実態解明を図るとともに、関係省庁や各国関係機関との連携を一層強化し、逃亡中の構成員の発見、検挙にむけ最大限努力していきたい」と述べた。

 日本赤軍は1970年代を中心に世界各地で航空機の乗っ取りや大使館襲撃などを次々起こした。50年前の72年5月30日には、イスラエル・テルアビブのロッド国際空港で、岡本公三容疑者(74)ら日本人メンバー3人が自動小銃を乱射するなどし、約100人が死傷する事件を起こした。

 重信元幹部は2000年に潜伏先の大阪府内で逮捕され、オランダ・ハーグの仏大使館を武装占拠した事件などで懲役20年の判決が確定し、服役。今年5月28日に東京都内の施設から出所した。報道陣の取材や公表した手記で、謝罪や反省を述べ、参加した赤軍派(日本赤軍の前身)について「『武装闘争路線』が間違っていた」などと振り返った。

 重信元幹部は2001年に日本赤軍の解散を宣言した。いまも逃亡中とみられる岡本容疑者ら7人が国際手配されている。(編集委員・吉田伸八

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    安田峰俊
    (ルポライター)
    2022年6月3日12時7分 投稿
    【視点】

    重信房子氏の釈放以来、他メディアの一部の報道のなかで彼女をもてはやすかのような動きや支援者の言説を取り上げるような動きがあるかにも見えたのは、個人的には大変違和感が強いところです。オウムの幹部の出所の際、こうした扱いはあまりおこないませんよ