ニコニコ上司の夜空ノムコウ あのころの未来に立った社員が思うこと

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滝沢卓
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 20年ほど前の昼下がり。東京都内のあるオフィスで、カラオケ好きの陽気な上司は、その日もいつものように鼻歌まじりで仕事をしていた。

 よく聞くと、歌詞も口ずさんでいる。

 「あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…」

 すると、そばにいた若手社員が「ちょっとメロディー違いますよ」とツッコミを入れた。上司の「何かを信じてこれたかなぁ…」が少し違うようだった。

 上司は「じゃ、こうかな?」と再び口ずさんだが、また「ちょっと違います」とダメ出し。

 でも、どこかうれしそうな上司は、「あ、そう?」とまた歌い出すも、「まだ違います」。

 「じゃ、こんなかな?」と何度も口ずさむが、そのたびに若手社員からは「違います」。

 そのうち、他の社員もひとり、ふたりと、仕事を止めて、上司の机の周りに集まり始めた。

 歌ってはツッコミが入る。2人の掛け合いに、周りの社員も面白がって、「なんか違うよね」と、気づけば笑いの渦ができていた。

「知ったかぶり」にまつわる思い出話を寄せてくれた男性。20年以上前の日常を詳しく覚えていたのには、理由がありました。

忘れなかった姿

 あれから、およそ20年。

 「ごめんなさい、実は、私が…

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