再稼働同意、福島からの避難者はどう思う 島根原発2号機の地元は

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木元健二 榊原織和 野田佑介
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 中国電力島根原発2号機(松江市)の再稼働に2日、島根県の丸山達也知事が同意した。県庁所在地にある唯一の原発が、運転を停止して10年あまり。住民らは、近づく再稼働をどう受け止めるのか。

 「地域の活気は失われていくばかりだった」

 島根原発から南西約2キロにある松江市鹿島町恵曇(えとも)地区の自治会長、青山豪太郎さん(58)は話す。

 この10年で地区の高齢化は進み、空き家が目立つようになった。若い世代は就職や進学で地元を離れていく。自身もUターン組だ。20代の息子2人も、東京と神戸で暮らす。「2号機が再稼働すれば、関連の雇用の場が増え、地域も活性化する。事故被害への不安も分かるが、現実を見据え、経済効果に期待したい」

 まつえ北商工会(松江市)の鹿島支部長を務める亀城幸平さん(72)も、再稼働を待ち望む一人だ。

 町内では、原発で働く職員に衣食住を提供してきた。だが、新規稼働を目指す3号機の工事も大半が終わった。人や物が動かなくなり、寂しくなったと感じる。「ここは40年以上、原発と共存共栄を図ってきた町。2号機が再稼働して、3号機も動けば、また新しい場面が出てくるんじゃないかと期待している」

 一方、知事の同意を疑問視する声もある。

 再稼働の是非を問う住民投票条例の制定を目指した市民団体「どうする島根原発?みんなで決める松江の会」共同代表の岡崎由美子弁護士(75)は「再稼働は県民全体にかかる重大問題なのに、知事の判断材料の中には、住民自治の担い手である県民の声が入っていないのでは」と語る。

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