あしなが街頭募金、茨城で2年半ぶりに再開へ「奨学金の存在知って」

西崎啓太朗
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 病気や災害などで親を失った子どもを支援する「あしなが育英会」の奨学生たちが4日、2年半ぶりに茨城県内で街頭募金活動を再開する。新型コロナウイルス禍で仕事を失う親が増える一方で、感染予防のために直接募金を呼びかけることが出来ず、資金集めに苦労してきた。

 土浦市の平沢慧悟(けいご)さん(20)=東京工業大3年=は4日、育英会の学生募金事務局のスタッフとして、JR水戸駅で約30人の仲間とともに、道行く人に募金を呼びかける。そのための準備を中心となって進めてきた。

 平沢さんは、小学校低学年の時に父親を自死で亡くした。以来、母親と祖母の3人で暮らす。

 ロボットに関心を持ち、大学進学をめざしていた高校3年の時、母親からこう言われた。「今のままだと、経済的に大学に行かせられないかもしれない。進学できる手段を探してほしい」

 でも、大学に行きたいという思いが強かった。塾には通わずに、「猪突(ちょとつ)猛進で」猛勉強を続けながら、奨学金について調べた。

 そのとき、あしなが奨学金を知り、進学できた。今は自宅から常磐線に乗って大学に通う。月7万円の奨学金などを学費や教科書代にあてている。

 お金と学びをてんびんにかけるような状況を変えたいと、育英会の学生募金事務局に入った。担当エリアは県内で、街頭活動ができない間は、県内の高校に募金箱を置いてもらうよう頼む電話をかけ続けた。「声だけで活動への熱意を伝えるのはすごく難しくて、苦労しました」と話す。

 4日の街頭募金活動は、午前10時~午後6時の予定だ。「経済的な理由で進学に悩んでいる子が通りかかるかもしれない。その子に奨学金の存在を知ってもらえたら」と平沢さんは話している。

 育英会によると、県内では2021年度に過去最多の163人が奨学金を受給した。コロナ禍で、親が仕事を失った家庭が増えたことも影響しているという。

 今年4~5月には、ウクライナ情勢や円安が与えた暮らしへの影響について、奨学生の家庭にたずねた。県内の50代女性は「何でもかんでも値上がりで、一家心中した方がいいのか、とまで思いました」と答えた。車社会の茨城では、ガソリン代の高騰も家計に大きな打撃を与えているという。(西崎啓太朗)

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