原発依存度「低減」、骨太方針から抜ける 政府「方針変わらず」

今泉奏、関根慎一
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 政府は今後の経済財政運営の指針となる今年の「骨太の方針」原案で、原子力について昨年は盛り込まれた「可能な限り依存度を低減する」との表記を見送った。一方、東京電力福島第一原発事故後、初めて原発を「最大限活用する」と明記した。萩生田光一経済産業相は「政府の方針には変わりはない」と説明、政策の変更ではないと強調している。

 原発の「依存度低減」は2011年の原発事故後、自民、公明両党が国政選の公約で掲げ続け、政府のエネルギー基本計画でもうたっている。自公政権の方針で、菅義偉政権は昨年の骨太の方針にも盛り込んでいた。経済界から求めの強い原発新増設や建て替えに応じていない根拠にもなっている。

 一方、ロシアのウクライナ侵攻を受け、政府・与党では、原発をエネルギー安全保障や脱炭素効果の高い電源と評価する「原発回帰」の動きが強まる。岸田政権で新たに策定する「クリーンエネルギー戦略」でも「最大限活用」する方針を打ち出した。「当面の難局を乗り越えるための方針」(松野博一官房長官)という。

 「骨太の方針」は近く閣議決定されるが、対となる表現の「依存度低減」が原案から抜けたことについて、萩生田氏は3日の会見で「方針には何ら変わりはない」と強調。山口壮環境相も同日、「再エネを徹底的に導入していく。したがって相対的に原発の比率は低減していく」と述べた。(今泉奏、関根慎一)